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 6    野花をおとなう1(リレー小説:SBSさま&黒田)
更新日時:
2010.06.28 Mon.
 
 
「――…オレは、絶対この味のお菓子だと思うにゅう」
「ハーブ?いやいや、いくらエルフだからって、それは安直すぎでしょう。ここはこっち、ほら、ブランデー入りの…」
「はとこ、そんな濃ゆいもの食べないって。アーチ―だってそう思うにゅ?」
「…聞いてますか、アーチ―?全く、しっかりして下さい。あなたのためにここにいるのですよ、わたくしたちは」
「とにかく、この新発売のハーブを試してみなって、アーチ―」
「いいや、ブランデー入りです」
「ハーブ」
「ブランデー」
「ハーブ!」
「ブランデー!」
「…いいや、紅茶だな」
 
「ありがとうございました―」
爽やかな店員の声を背に、奇妙な3人組が菓子屋を後にする。一人は子供の背丈ほどの草妖精。知識神の聖印を首に下げた神官が続き、最後に、立派な身なりの長身の男が。男の手には、無骨なそれに似合わぬ可愛らしい包みがある。
「紅茶の焼き菓子なんて普通過ぎますよ」
工夫がない、と不服そうに呟いたのは知識神の神官。
「そうにゅ。アーチ―、そんなんだからフィリス姉ちゃんにも愛想つかされるにゅ」
「うるさい」
茶々を入れるのは草妖精。すかさず男は鉄拳を飛ばすが、すばしこい彼を捉えることはできない。
「まぁ、いいですけどね。ご婦人にあげるものじゃなし。スイフリーにもよろしく言っておいて下さい」
「オレも、明後日には顔出すにゅう」
「わかった」
伝えておく。男がそう頷いたところで、3人は丁度通りの岐路に立った。右は街の中心へ向かう道。左は町外れへ向かう道。
「それでは、また後で」
「ああ、またな」
神官と草妖精は右へ。そして男は左へ。もう一人の仲間を訪ねて、男は森へと向かう。
 
 
 
頬を撫でる風の匂いに、閉じた瞳をうすく開く。
心地よい静寂に満ちた森。抜けるような青空の下、見渡す木々のあわいは若草の色に彩られ、緑を見慣れた己の目にも目映い。野道を斑に染める木漏れ日は飛び石の如く、このところの陽気に育まれた若木を白々と照らす。穏やかそのものの風景は、遠ざかった故郷のそれに良く似ている。
うとうととまどろみに時が流れてゆく。気だるい昼下がりの窓辺、卓上に頬杖を付いたまま、どれだけ思考の海に游いでいたのだろうか。気が付けば淹れたての茶も冷めて、口に残る味は僅かに苦い。いっそのこと茶葉から淹れ直す方が良いのかもしれない、ぼんやりと考えながら、何を見るでもなく窓の外を眺める。
今日は随分と、風の乙女の機嫌が良い。しずかなる声が紡ぐ言葉、密やかの歌に耳を傾け、快いざわめきへ身を委ねる。何ゆえにか、問い掛けるまでもなく、風の娘がささやいた。
 
『来る。森を抜けて、あなたに逢いに。あなたに逢いに来る。あなたに…』
 
そうだな、と、ひとの言葉で呟き返す。本当は、聞かずとも分かっていたのかもしれない。立ち並ぶ木々の間を抜けて、やがて彼はここへ至る。いつものようにきっと手土産を持って、いつものように、挨拶らしい挨拶もせず。立ち上がる。手早く身の回りを片付け、客人を迎える支度を整える。何でもないことのように。待っていたのだと気取られぬように。そうしなければ、いつものように、彼をあしらうことも叶わない。
 
 
 
固いブーツの靴底を、森の黒土が柔らかく受け止める。さく、さく、規則正しい足音を聞きながら、眺める風景は眩い新緑の輝きに溢れている。
以前、こうしてこの路を通ったのは、いつのことになるだろう。淡い斑の陽光を浴びながら、アーチボルトは考える。まだあの時は、森の木々に緑はなく、裸の枝が空に伸びゆくばかりであったから、二月は前のことだろうか。季節が巡るのは早い。定められた数十年を生きる自分でさえそう思うのだ、1000年という膨大な時に埋もれる彼らは、瞬く間のように感じているかもしれない。
ふわりと、柔らかな風が頬を撫でて行く。乙女の指先のように、たおやかなそれ。彼女らの姿が見えたなら、機嫌よく微笑んでいるのが見えたろうに。ふわり、とまた吹き付ける風に目を細めたところで、アーチボルトは木漏れ日の向こうに小屋を認めた。
(変わりないようだ)
心なし、歩調を緩める。はやる気持ちを押さえつけ、何でもないように振る舞うには、少々準備が必要だ。窓の向こうには、きっといつものように佇む彼がいる。
 
 
 
――清かに響く木の葉の衣擦れに、さりさりと、土を踏む靴音が交差する。親切のつもりか、それともただの気紛れか。風のなかの友人が、息吹に乗せて届けるその音に、気が付けばつい手を止めそうになって焦る。無邪気に彼の気配を運ぶ朋友達は、己と彼との間柄を、どんなふうに理解しているのだろうか。問うのも無為な、そして少しばかり気恥ずかしい疑問は、素知らぬ顔で胸にしまい込んでおく。
足音は小路を抜け、緩やかな歩調で距離を縮める。庵とも小屋とも未だに判別の付かぬこの住まいへの道すがら、何を思いながら彼は歩みを進めるのだろう。考え事でもしているのか、時おり路傍に立ち止まる様子に、つられてふと窓の外を見る。心配する気は露ほどもないが、広い森のなかで寄り道ばかりされてもそれはそれでもどかしい。
季節柄の青空でも仰いでいたか、はたまた、厳つい顔に似合わず花でも眺めていたか。ようやく歩き出した靴音は、やがて、真っ直ぐに扉の前へと辿り着いた。ノックをされる前にこちらから開けてやろうか。一瞬脳裏によぎった、あまりに子供じみた発想に笑いを噛み殺す。打ち鳴らされる戸の一枚を隔てて、どんな顔で彼は立っているのか。
「…どうぞ」
第一声はいつも、どうしても、愛想のない響きになってしまう。つくづく大人げないと思いはしても、喜びなどそうそう顔に出せない性分なのだから仕方ない。
 
 
 
懐かしい声だ。森に似合いの涼やかな声。素っ気ないほど短い言葉が、控えめに伝えてくる許可が嬉しい。緩みそうになる頬を引き締めて、アーチボルトはノブを握る。
「…失礼する」
僅かに木の軋む音。それと同時に、ささやかなる彼の城が姿を表す。本棚と、少しばかりの家具、寝室と台所へ続く扉が、この部屋の全てだ。もはや見慣れている筈のそれらにわざと目を向け、一呼吸置いてから、アーチボルトは窓辺に目を向けた。穏やかな陽光の射し込むそこには、一揃いの机と椅子。そして、光を受けて輝く金の髪のエルフが一人。その名が喉から出る前に、彼の声が静かに響く。
「靴の泥は落とせよ。途中、ぬかるみを抜けて来たろう」
「…なんで知ってるんだ、そんなこと」
「昨夜は雨降りだったからだ」
久しぶり、の挨拶もなく、客人に背を向けたまま、エルフは淡々と言葉を返す。ああ、全くいつも通りの彼だ。アーチボルトは苦笑して、その正面に回り込む。
 
 
 
「相変わらずだな、愛想の悪さは。いつ会っても」
「性分が丸くなるのを期待しているならやめておけ。人間のようにころころ気を変えるほど、わたしはせっかちではない」
他愛のない、言葉の応酬。大して奥行きのない窓辺に身を屈め、己を見る友人の面映えを、腰も上げぬままそろりと見上げる。腕組みをしながら壁に寄り掛かる様は、まるで自身の邸宅で寛いでいるかのように気安い。相変わらず、細かいのだか遠慮がないのだか、今一つ判らない男だ。双方、変わる気など微塵もないのだから、変化がないのはお互い様だが。
「…そうだ、土産を」
「ああ、…いつも済まん」
言葉の軽さに似つかわしくないほど仰々しく差し出された包みは、馥郁と、甘い香りを漂わせている。家を訪れるたび、挨拶のついでとばかりに渡されるそれらの菓子は、まるで無造作に選ばれたようで実のところそうでもない。掌に受ける甘い温まりを心地好く感じつつ、立ち上がり、茶器の支度に移る。
「茶を飲まんとは言わないだろうな。今さら要らんと言われても、わたしは聞かないぞ」
「そんな厚かましいことを言ってどうする」
「冗談だ」
我ながらつまらない。思うものの、背後に立つ穏やかな笑い声に、とりあえずは良しとする。きっと、記憶に残るそれと同じように、彼は笑っているのだろう。
「…ああ、そうだ。忘れていた」
振り向いたのは、確かめたかったからではない。
「久方ぶりだな、アーチボルト。元気そうで、何よりだ」
 
 
 
ふと、僅かな笑みが唇に乗る。胸に満ちる暖かな何かが、引き締めた筈の頬を緩ませる。
「…ああ、お前もな」
こうして、気まぐれな風のように、時折見せる彼の優しさが嬉しい。それは、何気ない言葉の端々に、僅かに香る程度のものだったが。
「……何をにやついているんだ、お前は」
不気味だぞ、と一刀両断するその声に、アーチボルトは慌てて咳払いを一つ。何でもない、と弁解する間に、エルフの姿は台所へと消えている。やがて、ゆっくりと茶の香りが家の中に広がってゆく。瑞々しくもすっきりとしたそれは、アーチボルトが普段嗜むものとは違う。マロウ、エキナセア、ネトル、セージ、カミルレ…森で採れる香り高い植物を、熱い湯で煎れる独特のものだ。エルフらしからぬ、と噂される彼の、意外な一面である。
 
 
 
香り立つ最後のひとしずくまでを、しずやかに、器へ注ぎ込む。
覗き込む穏やかなみずいろに、虚像が振れては翻る。立ちのぼる香気は芳しく、雨上がりに陽を受けた新緑のただ中で、深く呼吸した時の心地好さを思わせる。
森に暮らせばいつか慣れるその香りを、改めて好ましいと感じたのはいつだろうか。元々は誰のためのものでもなかった茶器のひとつを、いつしか、とある一人のためにしか供さぬようになった。恐らくはその頃になるのだろう。深く思いもしなかったさまざまのことが、その男のひとことひとことに、目まぐるしく色彩を変え始めたのも。
向き直れば男は借りてきた猫のように、上背を丸めて大人しく座っていた。最初だけのことだ。茶の一杯も飲ませれば、勝手知ったる他人の家とばかりに遠慮も吹き飛ぶ。外界で彼と付き合う者は、さぞや難儀しているだろう。何が楽しいのか、しきりににやにやと笑う男の前に、淹れたての茶を置いてやる。
「飲め」
差し出す茶器は、言葉ほどぞんざいに扱ってはいないと思う。何をどう言い繕ったところで、彼とこうして茶を飲み交わす時間は、数少ない己の楽しみなのだ。
 
 
 
差し出された器を掌に包む。薄い磁器とは違う、無骨な木の器から伝わるぬくもりは、肌にとてもよく馴染む。
「…今日は、何を入れたんだ?」
「偶には当ててみろ」
お前には何度茶を淹れてやったと思っている。自らの器を持って、目の前に座るエルフの言葉は相変わらず素っ気ない。体の奥まで染み込むような香ばしい香りを吸い込み、アーチボルトは素直に考え始める。宙を見つめたまま、まず一口。
「…一つは、あの尖った葉の植物だ。それに、例の乾燥させた花、あれの味もする。だが、それ以上は判らんな」
難しい、と素直に負けを認めれば、どこか満足げに目を細める彼がいる。
「たった数種のハーブのレシピも判らんとは、騎士殿の舌も大したことはないな」
心地よい香りの中では、からかう言葉もどこか柔らかい。
「そういうお前は、まだ飲めていないじゃないか。熱いんだろう」
「うるさい。人間の舌は鈍いから、こんなにサラマンダーが活発に働いている内から飲めるんだ」
「そうか?」
「そうだとも」
「でも、美味いぞ」
「…そうかい」
なら良かったよ。呟くエルフの耳は、僅かに赤い。
 
 
 
「冷めたら、お前も飲むと良い。一人で飲むだけでは些か勿体ない味だ」
余程、香りが気に召したのだろうか。口元に近付けた器をゆるゆると揺らしながら、満足げに男は言う。
「…これを淹れたのは、わたしなのだが」
「気にするな」
さも自分が淹れたかのような口振りを、省みることもない。何がそうさせるのかは知らないが、妙に律儀な質のくせに、この男は時々ひどく鷹揚だ。こんな人間が卑しくも騎士の位を拝領するのだから、外界は、やはりまだよく判らない。
「…開けるぞ、これ」
気を取り直して、手渡された土産とやらの包みを開ける。目立たぬながら美しく結ばれた飾り紐を解き、袋を開くと、ふわり、と深みのある薫香が広がった。
自然の手になる草花の匂いとは違う。ひとの手で形づくられた、愛らしい食物。
紅茶と言うのだったか、人間が好んで嗜む、その葉を練り込んであるのだろう。勇ましくかりかりと焼き上げられた生地に、指先で、そっと触れてみる。ぱらりと落ちるかけらは思う以上に脆く、少し力を入れれば簡単に砕けるだろう。こんな壊れ物を丁重に抱えて、目の前の彼は、森の小路を歩いてきたのだ。
「良くやるよ」
「最近の菓子屋は商才目覚ましいな。必要のないものまで、あれこれと買わされそうになったよ」
そういうことでは、ないのだが。触れた器の熱さに耳の先を弄りながら、不思議と火照る肌の感触を無視する。彼がそう受け取ったのなら、まあ、それはそれで構わない。
 
 
 
長く人間界を旅した彼も、いまだ人の手による食べ物は物珍しいらしい。しげしげと焼き菓子を眺め、観察する瞳は、新しい玩具を手にした子供のそれだ。その様子が見たくて、毎度違う菓子を求めるのだと、…本人が知ればしばらく口をきかなくなるだろうから、黙っておく。
「食べてみろ」
「…遠慮なく」
長い指先が、そっと菓子をつまむ。薄い唇が、さくりとそれを食む。もしゃもしゃと咀嚼する。
「……」茶の香気と菓子の甘い匂いに絆されて、切れ長の目元が優しく緩む。うまいか、とは聞くまでもなかった。
「全部お前のだ。私の分は気にしなくていい」
「…無論、最初からそのつもりだったとも」
澄ました顔で、エルフは2つ目に手を伸ばす。彼が満足する頃には、茶も飲み頃になっていることだろう。
 
 
 
「…そういえば」
指先に薄い焼き菓子を挟んだまま、ふと、相手に問いかける。
「外の様子はどうだ。以前来た時に話していた件は、解決したのか」
「ああ。あれはやはり、お前の見立て通りだった」
大分ぬるびてきたのだろうか。器の中身をひといきに飲み干し、ふ、と男が息を吐く。
「その後の進展は」
「しばらく様子は見たが、恐らく問題は無かろう。万が一の事態を考えて、パラサに話を通しておいてもらったが」
「そうか。…なら、いい」
ちょこまかと足元を走り抜ける、騒がしい草妖精の姿が目に浮かぶ。ああ見えてなかなかにはしっこい彼のことだ、何か動きがあれば即座に情報が届くだろう。
「あいつとは、先ほど顔を合わせたばかりだ。仮に何らかの動きがあったとすれば、その時点でわたしに伝えているだろう」
「そうだな」
それがないということは、つまり、まだ自分が動く番ではないのだろう。いつの間にかぴんと張っていた背から、ようやく力を抜く。
「…まあ、アノスの誇る敏腕騎士殿が、こんな森の中で呑気に茶を飲んでいられるんだ。切羽詰まっているはずはないな」
「どういう意味だ」
「世は全て、こともなし。平和は何よりも尊いということだよ、ウィムジー卿」
 
 
 
「…まったく、相変わらず口の回るエルフだ」
「褒め言葉と受け取っておく」
指先についた菓子の欠片を舐めながら、エルフは平然と言う。いつの間にか、箱の中身は大分減っていた。
「その件以外、我らの城に差し迫った危機はないのだろう?」
「そうだな、城については、今のところ特に問題はない」
「……『城について』は?」
持ち上げかけた器をぴたりと止め、細い眉がぴくりと跳ねる。
「…それ以外で、何か不穏な動きでも?」
「ああ、…いや、まだ、これは不確定な情報だが…どうも、オランに不穏な噂が立っている、らしい」
「というと?」
「ここに来る途中、旅の商人が世間話ついでに話してくれた。オランの魔術師が良からぬことを企んでいる、という噂があると。無論、誰もそんな噂など信じてはいなかったが」
 
 
 
「それはまた、何とも漠然とした話だな」
「そうだな。故に、どのようにも解釈が可能だ。今はまだ、根拠のない与太話に過ぎんが…」
「…今はまだ、な」
曖昧で、不確かで、情報と呼ぶのもおこがましいほど些細な噂話。わざわざ聞くまでもないような、ありふれた――それこそ、どこにでも転がっている下らない流言に、悪意のようなものを感じるのは己の勘繰りが過ぎる証拠だろうか。胸に湧き上がる得体の知れない不安に、深く、息を吸って昂りを押さえ付ける。
「…警戒するに越したことはないな。今現在目立った動きが見られなくとも、後々の火種になりそうなものは、始末できるうちにしておくものだろう」
「ああ。…差し当たり、各方面に働きかけて話の出所を探るつもりだ。尤も、話が話だけに、期待するのは難しいが…」
「何もしないよりは、格段にましだろう」
喉が、渇く。胸の奥に黒々と蟠る、正体のないなにかを、ひといきに茶ごと胃袋へと落とし込む。すっかり温くなった香草茶は、いつもより、僅かに苦味が強いように思えた。
「…考えられる限りの可能性に対処できる策を探す。当面はそれでいいだろう、騎士殿」
 
 
 
「賛成だな」
アーチボルトは頷いて、視線を窓の外へとやる。半ば趣味のようなものとはいえ、彼と話しているとどうしても物騒な企み事の方へ話題が向いてしまう。せっかくとっておきの茶と、美味い菓子と、森の澄んだ空気があるというのに。
「…この話は、ここまでにしておこう。私は、茶を飲みに来たんだ」
「それは、もしかして2杯目の催促のつもりか?」
「解釈はまかせる」
「…やめろ、わかったから器をこっちへ押しやるな。鬱陶しい」
ため息をつきながらも、こういう時の彼は寛容だ。ぞんざいにカップを持ち、すいと台所に消えて行く。一応は客人だと認めてくれているのか、仕方のない友人だと思われているのか。どちらかは分からないが、こちらに気を使ってくれているのは確かだ。そしてその何気ない心遣いに、甘えてみようかという気にもなる。
「なぁ、スイフリー」
「なんだ」
扉の向こうから返ってくる声に、何気なく問いかける。
「今日、ここに泊まっても良いか?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そんなわけで、バブリーズでリレー小説してみよう企画第一弾。
黒田パートから始まって、SBSさんパート、再び黒田パート、またSBAさんパート…というように、書いています。
時代設定的には、バブリーズリターンの後、オラン崩壊前、みたいな雰囲気。
エルフさんは何故かオランの近くの森の中に一人暮らしらしい。
 


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